今や当たり前となったキャッシュレス決済。
しかし社内のキャッシュレス化が進んでいないという企業も少なくありません。例えば、現金による経費精算などがそのひとつ。
法人もキャッシュレス化を進めることで、会計業務が飛躍的に効率化できます。
ただしキャッシュレス化には移行期間を必ず設け、段階を踏みながら徐々に行いましょう。
今回は、現金を社内から無くす方法を紹介。業務効率化を進めたいと考える企業はぜひ参考にしてください。
小口現金を廃止する
日々発生する経費精算のために手元に置いておく少額の現金「小口現金」。
小口現金の管理は、手元の現金と帳簿残高を担当者が毎日照らし合わせ、相違がないか確認する必要があり、手間がかかる作業です。また社内に金庫を置くなどセキュリティも必要。
小口現金を廃止すれば、これらの非効率な作業や管理はなくなります。
ではどのように小口現金を廃止すればいいのでしょうか。解説します。
社内の現金取引を把握する
まずは社内でどのような現金取引が行われているのかを確認します。
たとえば次のようなものがあるでしょう。
- 切手やはがきなどの郵便代
- 納税証明書や印鑑証明書などの手数料
- 新聞代などの集金
- 文房具やコピー用紙などの消耗品費
- タクシー代などの交通費
- 来客用のお菓子や飲み物などの経費
これらの小口現金を、どういった方法でキャッシュレス化できるのかを考えます。
切手やはがきなどの郵便代
切手やはがきなどは、郵便局の料金後納サービスを利用すれば解決します。
料金後納サービスは、郵送代を翌月に一括払いできるサービス。最寄りの郵便局で簡単に手続き可能です。
納税証明書や印鑑証明書などの手数料
納税証明書などの証明書は、『e-tax』を利用することで、ネットバンクと連携して交付手数料の納付が可能。
また登記簿謄本や印鑑証明書は、『登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)』を利用することで、現金対応が不要に。
これまでアナログな作業しかしてこなかった企業にとって、オンラインサービスを利用することは少しハードルが高いかもしれません。
しかし最初の手続きさえしてしまえば、なんてことない作業です。「どうしてもっと早く手続きしなかったのか」と思うかもしれません。
税務署や法務局へ行く手間も省け、一石二鳥。ぜひオンラインサービスを活用しましょう。
新聞代などの集金
会社に直接集金に来てもらっている取引はありませんか。
そんな現金取引は口座振替に切替えましょう。キャッシュレス化だけでなく、時間のロスも削減できます。
文房具やコピー用紙などの消耗品費
文房具、コピー用紙などの消耗品は、オンラインでまとめて購入。買いに行く時間的ロスもなく、重い荷物を運ぶ必要もありません。
立替ルールを決める
小口現金を廃止するためには、立替経費のルールを決めなければなりません。
やり方はいろいろあります。
一般的なやり方は、経費を立て替えた従業員が領収書を保管。月に1度、申請して領収書と合わせて提出することで、月に1度経費分が振り込まれるというもの。
しかしこのやり方は、従業員側の立替負担を増やすことになります。そこでおすすめなのが法人カードです。法人カードについては後ほど紹介します。
経費精算システムを導入する
立替経費精算の申請をアナログでするには、申請書類に手入力したり、領収書を糊付けしたりと、かなり手間のかかる作業。書類をチェックする経理担当者にとっても負担です。
立替経費は、経費精算システムの導入がおすすめ。
経費精算システムとは、経費精算に必要な申請書の作成や承認者の承認、会計ソフトへの反映などを効率的に行うシステムです。
領収書をスマホのカメラで撮影するだけで金額などのデータを読み取り、経費精算申請フォームへ入力できるものがほとんど。
経費精算システムの導入は、従業員、経理担当者双方にとって便利かつ効率的です。
法人カードを導入する
法人カードは、会社で使用するクレジットカード。
すべて電子的に記録されるため、いつどこで誰がどんな内容の支払いをしたかが明確であり、不透明な使われ方の防止になります。
従業員は立替の負担が減らせるメリットもあります。
法人カードには種類がたくさんありますが、多くの法人カードが会計ソフトを連携させられるので、支払いデータをそのまま会計ソフトに反映可能。経理業務の手間やミスを大幅に削減できます。
カードによって特徴があり、年会費やポイント還元率なども異なります。ぜひ自社に合った法人カードを選びましょう。
まとめ
- 小口現金を廃止する
- 立替ルールを決める
- 経費精算システムを導入する
- 法人カードを導入する
社内のキャッシュレス化は、まず小口現金を廃止すること。
ただし急に導入するのではなく、移行期間を設けて段階を踏みながら徐々に行いましょう。
今後は、給料もキャッシュレス化へ移行することが考えられます。
この記事を参考に、まずは身近なところからキャッシュレス化の仕組みを構築してみてはいかがですか。