【会計パズルの指針】会計帳簿の種類とそれぞれの意味を理解しよう

会計帳簿ってなにかご存じでしょうか？会社の資金の動きを記録する書類で、会社法によって作成が義務付けられています。経理処理や決算書類の作成に使用されます。

この会計帳簿にはいくつか種類があり、用途によって使い分ける必要があります。今回はその会計帳簿についてどのようなものがあるのかをお伝えします。

主要簿と補助簿に分かれている

会計帳簿には大きく主要簿と補助簿の2種類に分かれてます。まずはこの2種類について説明し、その後にひとつひとつ解説します。

主要簿は会社全体の会社の全ての取引を記録するための帳簿です。この3種類があります。

このうち「仕訳帳」と「総勘定元帳」の2つは会社法で作成が義務付けられてます。日記帳は任意となってます。

補助簿は主要簿の補助として、より詳しく記録したりする帳簿です。また、補助簿は「補助元帳」と「補助記入帳」に分けられます。２つとも作成を義務づけられたものではないです。

補助元帳とは特定の勘定科目について詳しく記録した帳簿です。補助記入帳とは取引が発生するたびに日付をおって詳細を記録した帳簿です。それぞれ以下の種類があります。

補助元帳

補助記入帳

仕訳帳は取引が発生した日時順に仕訳していく帳簿です。仕訳とは取引を「借方」「貸方」に分けて記録することです。簿記を学んだことがことがある人でしたら一度は見たことがあるはずです。以下のような帳簿です。

これは現金1,000円で仕入をした場合の記帳になります。

総勘定元帳は仕訳帳から転記して、勘定項目ごとに分類して記帳する帳簿です。それぞれの勘定項目の取引を振り返ったり、合計額を確認することができます。決算書類を作成するときの基になる重要な帳簿です。

日記帳は日々の取引を発生順に記録する帳簿です。仕訳帳につける前に取引内容を整理するために使用されます。主要簿の中では唯一義務づけられていない帳簿なので、記帳のルールは特にありません。

売掛金元帳は取引先ごとに内容と金額を記録し、取引をまとめた帳簿です。取引先ごとの取引を確認したり、将来入金される予定の売掛金の管理をします。

買掛金元帳は顧客ごとに内容と金額を記録し、取引をまとめた帳簿です。顧客ごとの取引を確認したり、将来支払う予定の買掛金の管理をします。

商品有高帳は商品ごとの在庫状況を記録した帳簿です。商品を仕入れたとき、売り上げたときの動きを記帳し、在庫管理に使用します。

現金出納帳は現金を使用した取引を記録する帳簿です。入金伝票、出金伝票を用いて日付、勘定科目、内容、入出金額、残高を記帳します。帳簿上の理論残高と実際の現金残高が一致していると、現金の動きを確認することが目的です。ちなみに読み方は「げんきんすいとうちょう」です。

当座預金出納帳は当座預金を使用した取引を記録する帳簿です。日付、相手勘定科目、入出金の理由・摘要(てきよう)、入出金額、残高を記帳します。

相手勘定科目とは仕訳帳での反対側に記入されている科目のことです。仕訳帳で説明した画像を基にすると、仕入からみたら現金が相手勘定科目、現金からみると仕入が相手勘定科目となります。摘要は取引内容のことです。

小口現金出納帳は小口現金を使用した取引を記録する帳簿です。小口現金とは日々の細かな支払いをするために用意された現金のことです。

売上帳は売上が発生した取引を記録する帳簿です。返品や値引きがあった場合にも記録します。

仕入長は仕入が発生した取引を記録する帳簿です。売上帳と同じく返品や値引きがあった場合も記録します。

受取手形記入帳は受取手形の増減を記録する帳簿です。日付、手形の種類、摘要、支払人、金額などを記入します。手形の流れを把握するために使用します。

支払手形記入帳とは支払手形を増減を記録する帳簿です。日付、手形の種類、摘要、受取人、金額などを記入します。受取手形記入帳との大きな違いは記入欄のひとつが「支払人か受取人か」の違いです。

会計帳簿がいかに大切なものか分かっていただけましたでしょうか？法人の決算書類作成はパズルの様なものです。いくつもの数字と勘定科目のピースを組み合わせて完成させる会計パズルです。会計帳簿はそのピースを整理するための指針のようなものでしょうか。