【請求業務はアウトソーシングして効率化できる!】費用相場、メリット・デメリットを解説

請求業務業務は主に経理部が行う業務です。取引先ごとに処理が異なることもあり請求先が多くなるにつれて、社内では手が回らなくなることもあるでしょう。

ツールを導入して効率化することも可能ですが、それでもツールを操作する人員が足りない、取引先が電子対応しておらず思っていたよりは効率化ができなかったなどのケースも多く見受けられます。

請求業務を丸々アウトソーシング(代行)することを検討された方もいらっしゃるはず。そこで、この記事では請求業務のアウトソーシングについて、メリット・デメリットは何か、アウトソースした場合の相場について解説します。

請求業務とは

請求業務とはサービスや製品の販売者が購入者に向けて料金の支払いを求める業務です。業務の流れとしては以下のようなものになります。

  1. 請求内容の確定
  2. 請求書の作成、送付
  3. 入金の確認(消込)
  4. 未入金がある場合は相手への催促

これらを決められた期日までに、取引があった相手先の数だけ行う必要があるので業務に多くの時間が掛かります。

請求業務につきまとうリスク

  • 未請求のリスク
  • 未回収のリスク
  • 横領のリスク

・未請求のリスク

せっかく売上を上げた場合でも請求書を送付しないことには料金が振り込まれることはありません。請求業務の管理体制が整っていない会社では、営業担当者が売上を経理に正しく報告できていないこともあります。経理部は営業と連携を取りながら漏れがないようにしていますが、先ほどの記した通り多大な請求業務があれば取りこぼしてしまうリスクも高まるでしょう。また営業が直接請求をしている会社も少なくなく、日々の営業活動と兼任していると同じように請求業務の漏れが発生するかもしれません。

未請求が発生した場合、相手方がそれを知らせてくれたとしても、基本業務も出来ないのかと信用を落としてしまいかねません。

・未回収のリスク

期日通り請求書を送付した場合でも入金が確実に行われるなんてことはありません。振込作業を忘れており、催促後に振り込まれた場合は大きな問題にはなりません。

しかし、相手方に支払い能力がない、つまりお金がなかった場合は大きな問題に繋がります。帳簿上で売上が上がっていても、実際の手元には現金がなかった場合、次は自分が取引先への支払いが出来なくなってしまいます。取引先からの信用を無くしてしまうばかりか、最悪の場合は黒字倒産となってしまいます。

・横領のリスク

請求は横領が発生しやすい業務のひとつです。長年取引を続けて信頼関係のある会社同士では請求書に対する確認が甘くなるケースがあります。架空の請求書を捏造し、入金された痕跡を消し、金額を横領するなどです。

社長が財務経理に詳しくなく、経理部の仕事がブラックボックス化している。長年信頼してる経理スタッフがいて経理周りは全て一任している場合などは発生リスクが高いので注意が必要です。

請求業務のアウトソーシングでできること

アウトソーシングとは自社でやっていた業務の全て、または一部を外部に代行することです。これにより自社で時間をかけて行っていた業務がなくなるので、別の業務にその時間をかけて、業績の向上や残業の削減などが期待できます。

先に記した以下の請求業務は全てアウトソーシング可能です。

  1. 請求内容の確定
  2. 請求書の作成、送付
  3. 入金の確認(消込)
  4. 未入金がある場合は相手への催促

基本契約に含まれているのか、オプションになるのかは会社ごとに変わるのでアウトソーシングしたい範囲を明確にしておきましょう。

請求業務をアウトソーシングするメリット

  • コストを削減できる
  • リスクを抑えることができる
  • コア業務に集中できる

・コストを削減できる

アウトソーシングすることで社内で業務をこなすよりもコストを削減できるケースが多いです。

請求業務を含む経理部の仕事では閑散期と繁忙期で業務量が大きく変わります。全ての業務を社内のリソースだけでこなすと深刻な残業や閑散期の人員管理などが問題として出てくるだけでなく、新しい人員の採用・教育のコストも発生します。それに加えて直接雇用の社員では保険料や交通費、賞与などの費用も給与に加えて発生します。

アウトソーシングでは負担になる業務だけを社外に任せられるので人員管理の手間が発生しません。請求業務など、繁忙時期に発生する業務をアウトソーシングすることで、年間を通しての人的コストを削減できます。また、採用、教育、直接雇用に関わる費用も一切無くすことができます。

・リスクを抑えることができる

先ほど記した3つのリスク、未請求、未回収、横領のリスクに加えて担当者の退職リスクを抑えることができます。

アウトソーシングする時には現在の業務の見直しから始めることができるので、請求抜けや横領が発生するリスクがないようにフローの構築を行います。空いた時間で与信管理を強化したり、与信もアウトソーシングすることで、未回収のリスクも減らすことができます。また、アウトソーシングすることで担当者の退職で業務に穴が空くこともありません。請求業務の遅れは経営悪化に繋がるため、そのリスクがなくなることは大きなメリットです。

・コア業務に集中できる

企業規模によっては営業担当者や代表が請求業務をこなしているケースも多いでしょう。重要な業務ではあるものの、手間がかかる業務でもあります。アウトソーシングすることで、本来集中するべきコア業務の時間を増やすことができ、新規営業、既存顧客へのフォロー、事業計画など事業拡大に直接関連する業務により取り組めます。

請求業務をアウトソーシングするデメリット

  • ノウハウが蓄積できない
  • イレギュラー対応には別途費用がかかる
  • 情報漏洩のリスクがある

・ノウハウが溜めることができない

アウトソーシングした業務は当然社内では行わないため、経験することがなくなりノウハウが溜まりません。アウトソーシングから内製化に切り替える時には、アウトソーシング先から効率的な作業を行うためのノウハウを伝授してもらうようにしましょう。

・イレギュラー対応には別途費用がかかる

突発的に発生した請求業務などは基本契約の内容に含まれていなければ、追加で費用が必要だったり、対応自体ができない場合もあります。イレギュラーなことを避ける為の準備はもちろん、事前に対応費用を確認しておきましょう。

・情報漏洩のリスクがある

請求業務をアウトソーシングするにあたり、売上情報や取引先の情報などを外部に渡す必要があります。そうすると社内で完結させている時に比べて情報漏洩のリスクが高くなってしまいます。アウトソーシング先のセキュリティ対策が甘い場合は当然リスクも増加するので、事前にセキュリティ体制について確認しておきましょう。特にフリーランスの個人に頼む場合は、情報管理の方法について取り決めをしておくといいでしょう。

請求業務のアウトソーシングにかかる費用

請求業務は会社によって業務フローにバリエーションがあり、単純に決まっているケースは少ないです。また、アウトソーシングする範囲によっても費用は変わってくるので、依頼したい範囲を決めてから一度アウトソーシング会社に問い合わせすることをおすすめします。

会社により基本契約に含まれる範囲も変わるので、おおよそですが、1件あたり1,000〜1,500円が相場です。

まとめ

  • 請求業務は会社の資金繰りの上で非常に重要
  • アウトソーシングすることでコストとリスクを同時に抑えられる
  • デメリットは事前打ち合わせで極力減らしておく
  • 費用は会社で異なるので問い合わせすること

請求業務を行う経理部ではアウトソーシングに向いている業務が他にもあります。リスクを抱えながら自社内で完結せずに、今後の事業拡大のためのリスクヘッジとして検討してみることをおすすめします。

こちらの記事では経理のアウトソーシングについてまとめていますので、興味があればご覧ください。
【中小企業と経理アウトソーシングは相性抜群】11のメリットと気を付けるべき4つのポイント