テレワークを推し進めるにあたって、ペーパーレス化は必須と言えるでしょう。しかし、どのようにしたらいいのか分からないという人も多いと思います。そこで、この記事ではペーパーレス化のメリットを理解いただいたうえで、どのように進めていくのかを9つのステップに分けて紹介します。
ペーパーレス化のメリット
実際の進め方を紹介する前にまずはペーパーレス化のメリットをご理解ください。
- 業務の効率化
- コスト削減
- 働き方改革がすすむ
- セキュリティの強化
・業務の効率化
電子で資料を保存すると紙で保存している場合に比べて、整理がしやすく、探しやすくなります。また、テレワークをする場合でも紙の資料があるために出社するといった非効率な出社がなくなります。
・コスト削減
ペーパーレス化することで印刷する必要がなくなり、印刷代がかかりません。たかが印刷代ですが、カラー印刷だと1枚10円前後かかるため侮れません。また、テレワークを進めることができると出社するための交通費も必要がなくなり、大きなコスト削減が見込めます。
・セキュリティの強化
電子化することでファイルやフォルダごとにアクセス権を制限したりパスワードの設定が可能です。システムによっては個人ごとのアクセス履歴も記録できるので、不正の防止にもなります。また、紙での書類は持ち出しのリスクや、火災などで消失してしまうリスクも存在します。
ペーパーレス化をするための9ステップ
- 現在紙で扱っている書類を把握する
- そもそも必要か考える
- 社内書類か社外も関わる書類かに分ける
- 現場の意見を聞き、電子化できる・できないに分ける
- 再度、目的を明確化する
- 現場に目的と必要性を周知する
- 必要に応じて業務フローの改善をすすめる
- ツールやサービスの検討
- 段階的に進める
1.現在紙で扱っている書類を把握する
まずは紙の書類を洗い出しましょう。例えば、請求書・契約書・申請書・提案書・報告書・稟議所などです。また、現場だけで使用している紙の書類などもあるかもしれないので、忘れずに確認するようにしましょう。
2.そもそも必要か考える
次に洗い出した紙の書類が必要なのかを考えましょう。昔からの習わしで使用している物はありませんか?例えば、社内での申請書や報告書です。新しいツールを導入して、日報などで報告をしてもらっているが、報告書も上げているといった、2重の業務が発生していることもしばしばあります。業務の棚卸をする機会は多くはないので、この機会に必要のないものは無くしてしまいましょう。
3.社内書類か社外も関わる書類かに分ける
電子化できるできないかを分ける要因として社外もかかわる書類なのかがあります。社内の書類は自社内での協力で簡単に進められるケースが多いですが、請求書など社外に出す書類はそうはいきません。
4.現場の意見を聞き、電子化できる・できないに分ける
社内外の書類に関わらず、現場の意見を聞くのは必須です。単純に電子化すればいいと思っていた書類でも思わぬところに壁があるかもしれません。また、ステップ⑨での話になりますが、ペーパーレスを段階的に進めることになった場合、優先順位をつける上でも現場の意見は非常に重要です。
ペーパーレス化する障害、業務フローの変化、生産性の向上につながるのか、関係会社への影響、関係会社の担当は協力的か非協力的か、などを確認しておきましょう。
5.再度、目的を明確化する
この時点で、再度ペーパーレス化をする目的を確認しておきましょう。話を進めているうちに本来の目的からずれてしまっているかもしれません。
例えば、当社は総務経理部門の在宅化を進めるために始めたことだったのに、社内全体でのペーパーレス化、営業の生産性向上にまで話がおよんでしまい、全体のスピードが遅くなり、総務経理部門での在宅がいつまでたっても実現しないなんてことになっているかもしれません。
6.会社全体に目的と必要性を周知する
ペーパーレス化を進めるには会社全体が協力できるかが鍵です。⑤で明確にした目的となぜそれが必要なのかを従業員に理解してもらいましょう。
これができていないと、ペーパーレス化したことによる業務フローの変化に不満がでて、現場が勝手に紙での処理に戻してしまうかもしれません。
7.必要に応じて業務フローの改善をすすめる
ペーパーレス化を具体的に進めていきます。まずはツールや外部サービスを利用せずに電子化できるものから始めていきましょう。その際に業務フローを変える必要があれば改善しましょう。注意点として手間が余計にかかるようにならないように気を付ける必要があります。既存の業務フローに無理やり電子化を取り入れると、手間だけが増える可能性もあるので、その場合には抜本的な改善も考えてみましょう。
8.ツールやサービスの検討
ツールやサービスの導入が必要な場合も、現場の意見を聞くことが重要です。物によっては無料期間や無料プランがあるので、それを活用し実際に触ってもらうことをおすすめします。
9.段階的に進める
ペーパーレス化は、業務フローの変更やサービスの導入とセットになることが多いので、一気に進めると従業員に負担がかかります。④で決めた優先順位を基に段階的に進めていきましょう。
また、請求書などの社外に関わるペーパーレス化も一気に進めるのはおすすめしません。まずはすでにペーパーレス化を進めている会社の請求書だけ電子にするなどです。紙と電子が並走するので、難しく感じるかもしれませんが、相手が社外であるので慎重に進めていきましょう。
ペーパーレス化におすすめのツール&サービス
ペーパーレス化をするにあたって、おすすめのツールとサービスを紹介します。
- クラウドサービス
- ファイル共有サービス
- 電子印鑑
- アウトソーシングサービス
・クラウドサービス
クラウドサービスとはインストールするのではなく、インターネットを通じて利用できるサービスのことです。ネット環境があれば使用できることからテレワークを進めるうえでも必須のサービスです。また、サービスによっては複数人が同時にサービスを利用できるので、今まで紙で共有していたものをクラウドで共有することが可能です。
・ファイル共有サービス
クラウドサービスの一種で、PDFや画像をネットワーク上に保存をするサービスのことです。複数人で同時にアクセス出来るほか、フォルダごとにアクセス権を設定することができます。一般的に利用されていることが多いのはOneDrive、Dropbox、GoogleDriveなどです。
・電子印鑑
電子印鑑を利用することで、押印するために紙で印刷する必要がなくなります。実印として使用する場合はタイムスタンプを付与できる有料サービスを利用する必要がありますが、認印として使用する場合は無料で作成することも可能です。
無料で電印鑑を作成する方法はこちらの記事で紹介しています。
【電子印鑑で作業を効率化!】無料で作成する方法も紹介
有料の電子印鑑サービスとして利用されているのが多いのは、電子印鑑GMOサイン、マネーフォワードクラウド契約、パソコン決済Cloudなどです。
・アウトソーシングサービス
ペーパーレス化を進めるには時間がかかるので、アウトソーシングで任せてしまうこともおすすめです。また、アウトソーシングを利用した場合、ペーパーレス化した後もより効率的な業務フローを構築することができます。
ペーパーレス化しても効率的になった気がしない等の場合、ペーパーレス化のメリットを上手く活用しきれていないのかもしれません。情報が身軽になり、アウトソーシングを活用できれば、事務作業は社内でする必要がなくなります。
まとめ
・ペーパーレス化で業務を効率化できる
・ペーパーレス化を進めるには現場の意見が必須
・段階的に進めることで、社内の負担ともしものリスクを軽減
・アウトソーシングでより効率化のメリットを受けられる
ペーパーレス化のメリットは一見すると地味ですが、業務効率の改善のファーストステップだとも言えます。ペーパーレス実現で終わりではなく、そこからどんな効果を派生できるのか、ぜひ考えてみましょう!