以前に比べ会社設立のハードルが下がったことによって、起業する人が増え色んな会社名を目にする機会も増えたはずです。そんな中、株式会社、合同会社といろんな法人格がありますが、何が違うのか考えたことはありませんか?
そこで今回は「会社の種類とその特徴」についてお伝えします。
目次
まず、「会社」と「法人」が違うことはご存知でしょうか。会社とは営利目的で設立された法人を指します。NPO法人など非営利組織は会社ではないということです。
まずはこちらの一覧表で、それぞれの法人の位置づけを確認してみましょう。
以前まで非営利法人はさらに「公益法人」と「中間法人」に分かれていたのですが、2008年に中間法人法が廃止され、一般社団法人へと移行されています。
一言に法人といっても、非常に種類が多いと分かっていただけたと思います。
今回は営利法人である4つの会社について説明していきます。
現在、設立が可能な会社は、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類です。このうち株式会社以外の3つは持分会社と呼ばれます。
経営者と会社の所有者(出資者)が違います。会社の株式を所有する「株主」が会社の所有者となり、経営者を取締役、その中でも代表者を代表取締役といいます。
簡単に言うと、株主がお金を出し合い会社を設立し、取締役が経営を行い、利益は株主に還元する形をとります。
経営者と所有者(出資者)が同じです。原則、所有者全員が代表者です。合同会社、合資会社、合名会社の違いは出資者の責任範囲で変わります。
詳しい違いは後述しますが、次は責任範囲の違いについて説明します。
会社が倒産し負債が残った場合、出資者が責任を負う範囲には「有限責任」と「無限責任」の2種類あります。
出資額以上の責任を負う必要がないことをいいます。
出資額に関係なく、全額の負債を支払う責任があることをいいます。
つまり、有限責任のほうがリスクが少ないです。それでは、それぞれの会社の特徴について説明していきます。
前述した通り、経営者と所有者が違うのが一番の特徴です。
設立するためには1円以上の資本金があれば可能ですが、設立には登記に必要な登録免許税や定款認証の手数料などで合計25万円以上必要となります。必要な出資者は1名以上で有限責任です。
経営を行うのは株主総会で選ばれた役員です。株主総会では株主や債権者に対して、決算報告を行う義務があります。
役員の任期は基本2年。最長で10年です。任期後に継続して役員を務める場合でも登録免許税がかかります。
- 社会的な信用が高い
- 出資が受けやすい
- 事業継承がしやすい
- 経営判断が株主の移行に左右される
- 設立に多くの費用がかかる
- 決算公告しなければならない
持分会社ですので、経営者と所有者は同じです。
設立に必要な資本金は株式会社と同じく1円以上で、設立には定款認証が不要で登録免許税も安く設定されているため、費用は最低6万円と安くすみます。こちらも必要な出資者は1名で有限責任です。
株式会社と違い社員がそのまま経営の意思決定権を持つので、社員全員で話し合って経営を行います。
合同会社には役員はありません。出資、設立から業務まで全て社員が行うからです。ただし、定款で業務執行社員や代表社員を定めることができます。任期はありませんが、設定することも可能です。
- 社員が自由に経営できる
- 設立費用が安い
- 決算公告の義務がない
- 社会的信用度が高くない
- 社員全員が代表者なので、意見が割れると収拾がつかない
- 事業継承で揉めやすい
合資会社では設立に必要な資本金は規定がありません。0円での設立も可能です。設立にかかる費用は合同会社と同じく最低6万円と安くなっております。ただし、設立には有限責任者1名、無限責任者1名の最低2名が必要となります。
経営の意思決定権や役員についての取り決めは合同会社と同じです。
- 社員が自由に経営できる
- 設立費用が安い
- 決算公告の義務がない
- 無限責任者が必要
- 社会的信用度が高くない
- 社員全員が代表者なので、意見が割れると収拾がつかない
- 事業継承で揉めやすい
合名会社は合資と同じく、設立に必要な資本金はなく、設立にかかる費用も同じです。
合資会社との違いは、所有者全員が無限責任者になる点です。設立には最低2名必要な点は一緒です。経営の意思決定権や役員についての取り決めについても合同会社と同じです。
- 社員が自由に経営できる
- 設立費用が安い
- 決算公告の義務がない
- 全員が無限責任者
- 社会的信用度が高くない
- 社員全員が代表者なので、意見が割れると収拾がつかない
- 事業継承で揉めやすい
ここまで読み進めていただくと合同会社に比べて、合資会社と合名会社はメリットはほとんど同じで、デメリットだけが多いことに気づくと思います。
ですので、現在会社を立ち上げする人は株式会社か合同会社を選択するケースがほとんどでしょう。
ではなぜ、この2つは存在しているのか。
それは以前はメリットがあったからです。2006年に会社法が改正されたのですが、それ以前には合同会社は存在していませんでした。その代わりに「有限会社」という種類がありました。
当時は会社を設立するために有限会社は300万円以上、株式会社は1,000万円以上必要だったため、現在に比べてハードルが高かったのです。
その中で合資会社と合名会社は資本金の規定がなかったので、設立のハードルが非常に低く、設立にお金をかけたくない人が選んでいたのです。
現在は会社法の改正で株式会社設立のハードルが下がり、合同会社ができたので、当時のメリットがなくなってしまったというわけです。
- 法人は「公的法人」と「私法人」に分かれている
- さらに私法人は「非営利法人」と「営利法人」に分かれている
- 会社とは営利法人のことで4種類ある
- 株式会社と合同会社の違いは経営者と所有者が同じかどうか
- 現在は株式会社と合同会社の設立が多数
メリットとデメリットを理解して、機能性の高い法人や目標達成により確実な法人格にて会社設立を行うことが重要です。
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