【留学ビザから就労ビザへの変更方法】外国人留学生が日本で就職を希望する場合

日本の大学や専門学校を卒業した外国人留学生が、日本での就職を希望する場合、留学ビザから就労ビザへ変更する必要があります。

留学ビザのままでは働くことはできません。

今回は、就労ビザへの変更手続きの流れや審査のポイント、成功のためのポイントについて詳しく解説します。

就労ビザの基本知識

留学生が取得できる就労ビザにはいくつかの種類がありますが、最も一般的なのは「技術・人文知識・国際業務ビザ」通称「技人国(ぎじんこく)ビザ」です。

これは、企業のオフィスワークや専門職に従事する外国人向けのビザであり、大学や専門学校で学んだ分野と業務内容が関連していることが求められます。

より高度な知識や経験を持つ場合は「高度専門職ビザ」も選択肢の一つです。

留学ビザから就労ビザへの変更手続きの流れ

就労ビザへの変更手続きは、ざっくりいうと、内定が出てから就労ビザの申請を行います。

企業側としては「就労ビザが下りなかったらどうするのか?」という心配もあると思いますが、内定が出ていないのに就労ビザの申請はできません。

変更手続きの流れは以下のとおり。

  1. 就職活動の開始
  2. 内定獲得と雇用契約の締結
  3. 必要書類を準備する
  4. 出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請する
  5. 新しい在留カードの受領

① 就職活動の開始

日本企業の多くは、新卒採用を前年度の夏から秋にかけて開始します。

留学生もこのタイミングで企業説明会やインターンに参加し、企業との接点を持つことが重要です。応募書類の準備や面接対策も並行して進めます。

② 内定獲得と雇用契約の締結

就職活動を経て、企業から内定を獲得したら、雇用契約を結びます。

この際、企業側にビザ変更の手続きをサポートしてもらうことも必要になります。

③ 必要書類を準備する

就労ビザへの変更には、以下の書類が必要となります。

本人が準備するもの

  • 在留資格変更許可申請書(出入国在留管理局の様式)
  • 証明写真
  • 卒業証明書および成績証明書(大学や専門学校が発行)
  • パスポートおよび在留カード

会社が準備するもの

  • 在留資格変更許可申請書(所属機関等作成用)
  • 雇用契約書または採用内定通知書
  • 会社の登記事項証明書および決算書
  • 業務内容説明書

④ 出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請する

必要書類が揃ったら、最寄りの出入国在留管理局へ申請を行います。

申請方法は、窓口申請とオンライン申請の2種類。

審査には通常1~2ヶ月程度の時間がかかるため、余裕を持って申請を行うことが重要です。

なお就労ビザへの変更申請は「卒業前の12月1日」から提出できます。4月の入社に間に合わせるためにも、12月中には申請を行いましょう。

⑤ 新しい在留カードの受領

審査が通れば、許可通知が届きます。その後入管で新しい在留カードを受け取り、正式に就労ビザへと切り替わります。

就職先が決まらない場合

もし卒業時点で就職先が決まらなかった場合、「特定活動ビザ(就職活動継続用)」への変更を検討することができます。

このビザを取得することで、卒業後も引き続き日本で就職活動を行うことが可能です。申請には、大学や専門学校からの推薦状や、過去の就職活動実績を示す資料(エントリー履歴や面接記録など)が求められます。

また、アルバイトの継続を希望する場合は、「資格外活動許可」を更新しなければなりません。

もしも特定活動ビザの期限内に就職が決まらなかった場合は、母国へ帰国する必要があります。

審査のポイントと注意点

審査で重視されるポイントは次のようなことです。

  • 学歴と職務内容の一致(例えば、情報工学を専攻した人がITエンジニアとして働くのは適合しやすい)
  • 会社の安定性(過去の決算書や登記事項証明書などで確認される)
  • 雇用条件の適正性(給与が最低賃金を上回っているか、労働時間が適正か)

留学中のアルバイト経験のみで職歴が不足している場合や、飲食店や販売職など、専門性が認められない職種に就く場合、また会社の経営状況が不安定で、継続雇用が難しいと判断される場合は、不許可となるケースもあります。

もし審査が不許可となった場合は、まず不許可理由を確認しましょう。

その上で、書類の不備があれば修正し再申請することが可能。

また、例えば特定活動ビザなど他の就労ビザを検討するのも一つの選択肢です。

成功のためのポイント

就労ビザの申請を成功させるためにも、可能であれば雇用先の企業に推薦状や業務内容説明書を作成してもらいましょう。審査の成功率を上げることができます。特に、企業が外国人の雇用実績を持っている場合は、よりスムーズな申請が期待できます。

また留学ビザの在留期限が切れる前に手続きを完了させることが重要です。ギリギリになって申請すると、審査が間に合わず、不許可となるリスクが高まるため注意してください。

初めての申請で不安がある場合は、専門家に依頼するのも良い選択です。行政書士やビザ専門のコンサルタントに相談することで、書類の作成や申請手続きがスムーズになります。

まとめ

留学ビザから就労ビザへの変更は、適切な準備と計画が成功の鍵。

まずは、自分の学歴と職務内容の適合性を確認し、必要書類をしっかりと準備することが大切です。

雇用先の協力を得ながら、計画的に申請を進めることで、スムーズなビザ変更が可能になります。

新しいキャリアへの一歩を踏み出し、日本での挑戦を成功させましょう!