会社は年に1度「決算」を行い、収益と費用を計算して業績や経営状況を確定することが義務付けられています。
株主や取引先の企業、金融機関に経営状態を報告するとともに、税金の申告をします。
原則として、決算を終えてから2か月以内に申告を行わなければなりません。
では決算や申告をしないとどうなるのでしょうか。
ここからは知っておきたい無申告によるデメリットなどをお伝えします。
そもそも決算とは?
会社は毎日の取引(お金の動き)を帳簿に記入する必要があります。こういった経理作業を日々積み重ね、1年に1度、決算書を作成。これを決算といいます。
決算をすることで、1年間にどれくらいの売上や仕入れがあり、どれほどの損益が発生したかを把握。経営者として最も重視すべき手続きといえます。
決算期は1年以内の期間であれば、何月から何月までにするか会社ごとに自由に決めてOKです。一般的に一事業年度を4月~3月の3月決算としている会社が多いですが、業種の繁忙期などにより自由に設定できます。
経理の仕事については「【経理の仕事ってどんなこと!?】1年間のスケジュールと業務内容をわかりやすく解説」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
決算後2カ月以内に申告を
会社は決算を終えてから、原則2カ月以内に税務署に申告を行わなければなりません。
しかし「決算をしていない」「法人税等の確定申告をしていない」という会社も存在します。無申告や期限内に申告しない場合、いくつものペナルティが発生することも。
決算や申告をしないことは、会社にとってマイナスでしかありません。会社の決算報告はルールです。必ず行いましょう。
申告しないとどうなるのか?
法人税や消費税などは、決算書をもとに自社で税額を計算し、原則2カ月以内に税務署に申告します。
もし会社側が申告せず知らないフリをしていても、いずれ税務署の税務調査が入ります。税務署はさまざまな手段で収入や講座取引などを調べることが可能なので、絶対に無申告のままではいられません。
税務調査などにより無申告が発覚すると、無申告だった期間の税金をすべて支払わなければならず、数年分ともなるとその金額は多額に。さらに追徴課税も課せられます。
会社の無申告が発覚した場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。
- 追徴課税
- 青色申告の取り消し
- 銀行からの融資が受けられない
- 信用を失う
追徴課税
無申告が税務調査により明らかになってしまった場合や、1日でも提出期限を過ぎてしまった場合、本税に加えペナルティの税金も課されます。
状況によって、5%~20%もの追徴課税が請求されることも。
うっかり提出期限を過ぎてしまった…ということがないようにしましょう。
青色申告の取り消し
多くの会社は会社設立時に「青色申告承認申請書」を合わせて提出しています。
2期連続で法人税の申告を期限内に行わなかった場合、この青色申告承認が取り消しに。
青色申告が取り消されると、最大で65万円の特別控除を受けられなくなったり、赤字を3年間繰り越すことができなくなったりします。
銀行からの融資が受けられない
銀行が会社にお金を貸すとき、その返済能力を決算書によって判断しています。
無申告の場合、今後、銀行などからの融資も難しくなるでしょう。今は融資を考えていなくとも、今後必要となることもあるかもしれません。
そんな時に融資が受けられないということにならないためにも、しっかり決算と申告を行いましょう。
信用を失う
正しく税金を納めていない会社は、社会的な信用を失うことになります。取引する相手企業との関係にも影響を与えるほどのこと。
また許認可などを受けられないこともあります。
一度失った信用を回復するのはとても大変なことです。会社の未来を考え、必ず決算と申告は行いましょう。
まとめ
- 決算後2カ月以内に申告
- 申告しないと多くのリスクを伴う
- 2期連続で申告を怠ると青色申告取り消し
会社を運営していくうえで、決算と申告は義務です。今後も毎年きちんと決算し申告しましょう。
やむを得ない事情により、決算しないままの会社もあるかもしれません。場合によっては、申請を行うことで申告期限の延長が認められるケースも。申告しないでいても状況は悪くなる一方です。早めに専門家に相談し対策を打ちましょう。