当ブログでも何度か取り上げている、さまざまな不正経理事件。
「うちには関係ない」と他人事に感じている方も多いと思いますが、不正経理は表沙汰になっている巨額事件だけではありません。規模の大小はありますが、意外と身近なところでも起こっています。
昨今の人手不足により、経理業務がワンオペの会社も少なくないでしょう。そんな会社は要注意。
今回はワンオペ経理であったが故に起きてしまった約8400万円にも及ぶ不正事件を取り上げます。
目次
横領事件の経緯
今年6月、仙台市が出資している「仙台中央食肉卸売市場」を運営する会社の元経理課長による横領が明らかとなりました。
その額、なんと8400万円余り。
運営会社では食肉を出荷する団体に対し頭数などに応じ奨励金を交付しており、この元経理課長は、宮城県内の1団体から組合員への交付業務を担っていたのだとか。
そんな立場を悪用し、2003年から18年間にわたり、あわせて約8400万円を横領。
横領分を穴埋めするため運営会社から入金を続け、振り込み名目を「売掛金」と処理したり虚偽の伝票を作成したりし、発覚を免れていました。
元経理課長は昨年4月頃から病気で欠勤が続き、会社側が業務内容を引き継ぎしていた際に不正が発覚。
会社の調査に対し元経理課長は「借金の返済やギャンブルに使った」と不正を認めていましたが、今年5月病気で死亡したということです。
なぜ気づかなかったのか
先述のとおり、元経理課長は出荷団体の預金通帳と印鑑を一人で管理し清算も行っていました。
つまりチェック体制が整っておらず、さらに隠蔽工作も行っていたため、誰も気づくことができませんでした。
発覚後
発覚後元経理課長は、約8400万円のうち約500万円を返済。残りは元経理課長の不動産の仮差し押さえや返済などで回収を進めるそうですが、元経理課長は今年5月に病死しています。ご家族が気の毒でなりません。
なお出荷団体に支払われていなかった奨励金は、運営会社が立て替え全額返済。
運営会社は再発防止のため、経理業務を複数人で確認する体制に見直すとしています。
まとめ
今回の不正経理事件の一番の問題点は、やはりこの元経理課長のひとり経理だったことでしょう。
経理はブラックボックス化しやすい業務のため、まずはしっかりとしたチェック体制を整えることが重要です。
同社は再発防止のため、経理業務を複数人で確認する体制に見直すとしていますが、複数人にするには経理人材もコストも必要であり、簡単なことではありません。
会計不正や横領を防ぐためにも、バックオフィスアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。ぜひお気軽に経理のプロフェッショナル集団DFEにご相談ください。
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