派遣の日数限定業務とは?具体例や日雇いとの違いを解説

派遣社員が同じ職場で勤務できる上限は原則3年とされています。しかし、短期間の人員確保が必要な場合に例外として適用されるのが「派遣の日数限定業務」です。

特定の業務に限り派遣期間が短期間に制限されるこの制度は、企業に柔軟な人員調整の選択肢を与える一方、法的ルールの遵守が求められます。

この記事では、派遣の日数限定業務の仕組みと活用ポイントを解説します。

派遣の日数限定業務とは

「派遣の日数限定業務」とは、通常の労働者の1ヶ月の所定労働日数の半数以下、かつ、10日以下の日数で発生する業務のことをいいます。

しかし派遣日数が月10日以内なら、すべてが「日数限定業務」になるわけではありません。

たとえばある業務に月15日間の日数を要し、その業務の月10日間を派遣労働者に、残りの月5日間を派遣先で雇用している従業員に行わせた場合は、「月10日以下の業務」の要件を満たさないため日数限定業務には該当せず、通常の期間制限が適用されます。

判断基準は派遣先の業務内容です。業務に従事する日数で判断するわけではありません。

「日数限定業務」に該当すると考えられる具体的な業務例

派遣先の企業で発生する突発的な業務や不定期に行われる特殊な業務は、「日数限定業務」として扱われ、派遣3年ルールの適用外となる場合があります。

たとえば以下のような業務です。

  • 書店や小売店の棚卸し業務
  • 土日だけの住宅展示場スタッフ
  • イベント会場の受付・案内業務
  • スポーツ大会や季節行事の運営サポート

業務量が増える繁忙期に限定して派遣労働者を受け入れる場合は、「日数限定業務」とはみなされません。

日雇い派遣や単発バイトとの違い

ここまでの日数限定業務の説明で、「日雇い派遣」や「単発バイト」とどのように違うのか?と思われた方も多いのではないでしょうか。

日雇い派遣とは、1日ごと、あるいは30日以下の期間で派遣社員として働く雇用契約のこと。

ただし日雇い派遣は法律上、原則禁止されています。日雇い派遣は、以下の条件に当てはまる場合のみ例外的に認められています。

  • 政令で定める業務について派遣する場合
  • 特定の条件に該当する人を派遣する場合
政令で定める業務

ソフトウエア開発 
機械設計
事務用機器操作
通訳、翻訳、速記
秘書
ファイリング
調査
財務処理
取引文書作成
デモンストレーション
添乗
受付、案内
研究開発
事業の実施体制の企画、立案
書籍などの製作、編修
広告デザイン
OAインストラクション
セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

特定の条件に該当する人

60歳以上
雇用保険適用外の学生
副業としてはたらく人
主たる生計者でない

一方で「単発バイト」は、雇用主が異ります。単発バイトは就業先の企業が雇用主となりますが、日雇い派遣の場合は派遣会社が雇用主です。

まとめ

「派遣の日数限定業務」とは、通常の労働者の月間所定労働日数の半分以下、かつ10日以下で発生する特定業務を対象とした派遣制度です。

これにより企業は短期間での柔軟な人員調整が可能になりますが、繁忙期の業務量増加に対応する目的では認められず、適用には厳格な要件を満たす必要があります。

また「日雇い派遣」や「単発バイト」とは雇用形態や適用条件が異なり、混同に注意が必要です。

この制度を正しく理解し活用することで、効率的な人材運用が可能となるでしょう。

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