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人材不足を補うため、派遣や業務委託の導入を検討されている企業も多いでしょう。では派遣と業務委託にはどのような違いがあるのでしょうか。
派遣の場合、派遣スタッフは派遣先企業の指示に従って仕事に従事します。一方で業務委託は、依頼企業が労働者に対して細かな指示をすることはできません。
また報酬を支払う対象は、派遣は「作業時間」に対して、業務委託は「成果物」または「作業時間」に対してです。
それぞれの特徴をしっかり理解したうえで、自社に合った方法を選択しましょう。今回は派遣と業務委託の違いやメリット・デメリットなどを紹介します。
派遣とは、派遣会社が雇用する派遣スタッフを派遣先企業に派遣し、派遣先企業の指揮命令下で就業してもらう仕組み。
派遣スタッフが雇用契約を結んでいるのは派遣会社であり、仕事の指示をおこなうのは派遣先企業です。つまり派遣スタッフは、給料の支払いや社会保険の適用は派遣会社から受けます。
また派遣には、「一般派遣」「紹介予定派遣」があります。
派遣スタッフは、派遣会社から仕事を紹介され、一定期間派遣先企業で就労します。ほとんどが時給制です。
契約期間が終了したら、雇用契約も終了。派遣スタッフは登録先の派遣会社に対し、次に希望する派遣先の職種や雇用期間の希望を伝え、次の派遣先が決まったら改めて雇用契約を結ぶという流れです。
紹介予定派遣とは、いずれ派遣先企業に直接雇用されることを前提に、派遣契約を結ぶこと。派遣期間は最長6か月です。
その後双方がマッチすれば直接雇用となりますが、正社員に限らず契約社員などの場合もあります。なお何らかの理由で雇用しない場合は、派遣先企業はその理由を明示しなければなりません。
業務委託とは、その名のとおり業務を外部に委託すること。
「仕事を依頼する側」と「仕事を受ける側」が雇用関係を結ばず、対等な立場にあります。
業務委託には主に、「請負契約」「委任契約」「準委任契約」の3種類があります。
請負契約は、受託者（仕事を受ける側）が依頼された業務を完成させ、その成果物の納品に対して、委託者（仕事を依頼する側）が報酬を支払う契約です。
業務指示や労務管理は、受託者がおこないます。
委任契約とは、弁護士や税理士などに法律行為を行う業務を委託する契約、準委任契約とは法律行為以外の業務を委託する契約です。
報酬は成果物に対してではなく、委託した業務の遂行にかかった時間や工数に対して支払われます。
ここからは派遣のメリットとデメリットを紹介します。
企業が派遣を採用する大きなメリットは、業務内容や期間など、自社が求めるスキルを持つ人材を必要な時に活用できることです。派遣スタッフに直接指揮命令できるので、社内で業務を進められます。
自社で人材確保をおこなう場合、募集や面接などの採用業務、その後の教育業務が必要ですが、派遣を活用することで、これらを軽減することも可能。
また労務関係や保険関連の手続きも派遣会社が行うため、手続きがシンプルな点もメリットでしょう。
派遣の最大のデメリットは、派遣可能期間が3年間という点でしょう。3年間を超えて同じ人材を同一部署で派遣社員として受け入れることはできません。
引き続き就業してもらいたいのであれば、正社員・契約社員・無期雇用派遣社員など、雇用形態を切り替える必要があります。
続いて業務委託のメリットとデメリットを紹介します。
業務委託は、高いスキルで業務を遂行してもらえたり、完成した質の高い成果物をもらえたりする点。
自社で強化したい部門や業務以外を業務委託することで、自社内のリソースを必要な業務に集中することができます。教育のコストがかからないこともメリットでしょう。
また派遣契約とは異なり、契約期間の制限がないため、長期契約も実現可能です。
受託者や労働者に対して直接指揮命令ができない点は、業務委託のデメリットといえるでしょう。指示を出しながら業務を進めたい場合は、派遣の方がいいかもしれません。
また業務委託に依存しすぎると、自社にノウハウが蓄積されなくなってしまいますので注意してください。
派遣と業務委託の違いを比較してみましょう。
派遣や業務委託を活用する場合、注意しなければならないことがあります。それは「二重派遣」と「偽装請負」です。
二重派遣とは、派遣会社から受け入れた派遣スタッフを、更に別の企業に派遣すること。
また偽装請負とは、委託者から受託者に対して業務に関する細かい指示が行われたり、作業時間などを強制的に指示したりするなど、業務委託でありながら派遣契約に該当する内容であることです。
発覚すれば違法行為として罰則が科される場合もあるので注意しましょう。
派遣と業務委託、どちらを活用すべきかは、依頼したい業務内容や必要なスキル、予算によって異なります。自社にとって最適な方法を活用するためにも、双方のメリットやデメリットをしっかり理解したうえで検討しましょう。
なお当ブログでは以前「【BPOとは？】アウトソーシングとの違いやメリット・デメリットを解説」という記事もアップしていますので、ぜひ併せてごらんください。
