【不正経理事件簿】コメ兵子会社「セルビー」、経理責任者が約1億2000万円を横領

大手ブランド買取・販売「コメ兵」の連結子会社であり、宝飾品の買取や販売事業を展開する「セルビー」。『売る』『買う』という活動を通してお客様に価値と感動を提供してきた同社で、信じがたい不正経理事件が発覚しました。

2025年12月17日の発表によると、同社の経理責任者を務めていた元従業員が、会社の現金を私的に流用していたとのこと。その損害額は、なんと約1億2000万円にのぼります。

今回は、この巨額横領事件の概要を振り返るとともに、なぜこのような事態が起きてしまったのか、バックオフィスが抱える潜在的なリスクについて解説します。

わずか数ヶ月で1.2億円。大胆な手口と発覚の経緯

事件が起きたのは、2025年11月から12月にかけてのこと。当該の元従業員は、セルビーの預金口座から自身の口座へ送金を行うなどの手口で、現金を不正に引き出していました。

わずか数ヶ月という短期間で約1億2000万円もの大金を流用するという、非常に大胆かつ悪質な犯行です。

驚くべきは、この事件の発覚経緯です。社内の監査や第三者のチェックで発覚したのではなく、「本人の申告」によって事態が明るみに出ました。

セルビーは申告を受けた直後に社内調査チームを設立し、弁護士等の専門家と連携して事実関係や資金移動の履歴を調査。結果として元従業員を懲戒解雇処分とし、現在は損害額の回収と刑事上の法的措置を進めているとしています。

親会社であるコメ兵の連結業績への影響は限定的とのことですが、企業の社会的信用を大きく揺るがす事態であることに変わりはありません。

なぜ防げなかったのか?「経理責任者」というポジションの死角

この事件の最大のポイントは、不正を働いたのが「経理責任者」であったという点です。

通常、企業のお金を動かす際には、担当者が申請し、上長や責任者が承認するというダブルチェック(複数人での牽制機能)が働きます。しかし、経理部門のトップである「責任者」自身が不正に手を染めた場合、このチェック機能は容易に形骸化してしまいます。

  • 会社の口座情報を熟知している
  • 資金移動の承認権限を持っている、あるいは承認プロセスをスキップできる立場にある
  • 他の従業員が責任者の業務内容を把握しきれていない(ブラックボックス化)

こうした条件が重なることで、「いつでもお金を動かせる、そして誰にも気づかれない」という危険な環境が生まれてしまいます。今回は本人の申告によって発覚しましたが、もし巧妙に隠蔽工作が行われていれば、被害額はさらに膨れ上がり、会社の存続すら危ぶまれる事態になっていたかもしれません。

 「人」を信じても「仕組み」を信じない。属人化の排除を

事件後、セルビーおよびグループ各社は、内部統制ルールの強化と業務プロセスの見直しを行い、再発防止に努めると発表しました。

巨額の横領事件が報じられるたびに、「うちの経理担当者は真面目だから大丈夫」「長年勤めてくれているから信頼している」と考える経営者の方は少なくありません。しかし、不正は「動機」「機会」「正当化」の3つの要素が揃った時に発生すると言われています(不正のトライアングル)。

いくら人を信頼していても、いつでも不正ができる「機会(環境)」を放置しておくことは、会社にとっても、そして従業員本人にとっても不幸なことです。

経理業務を特定の個人のみに依存させる「属人化」から脱却し、誰が担当しても不正ができない、あるいは不正があればすぐに検知できる「仕組み」を構築することが急務です。

社内での複数名によるチェック体制の構築はもちろんのこと、資金管理と帳簿入力の担当者を完全に分離する、あるいは経理業務の一部を外部のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)へ委託し、第三者の厳しい目を入れることも有効な防衛策となります。

「バックオフィスを人から仕組みへ」。あなたの会社の経理部門は、特定の誰かの「聖域」になっていませんか? 今一度、自社の内部統制ルールと業務プロセスを見直す時期に来ているのかもしれません。

まとめ

今回の事件は、経理業務の属人化がいかに大きなリスクを孕んでいるかを、改めて私たちに示しました。「長年勤めてくれているから大丈夫」「担当者が真面目だから」といった感情論では、会社を守ることはできません。

経理業務を特定の個人のみに依存させる体制から脱却し、誰が担当しても不正ができない、あるいは不正があればすぐに検知できる「仕組み」を構築することが不可欠です。

DFE(株式会社データ・ファー・イースト社)は、AIと人(BPO)を融合させた「BPaaS」型のバックオフィスソリューションを提供しています。

自社の内部統制ルールや業務プロセスに不安を感じる方は、まずはお気軽にご相談ください。DFEが、貴社のバックオフィスを「人から仕組みへ」と移行するお手伝いをいたします。


資料請求