【不正経理事件簿】13年間で合計21億円以上の横領…大半が馬券購入

巨額の不正事件がニュースになる度「なぜ気づかなかったのだろう?」と思われる方も多いでしょう。

「うちの会社は大丈夫」そんな根拠のない自信のある方は要注意。決して他人事ではありません。

今回は、今年3月に発覚した、13年間で合計21億円以上という巨額横領事件を紹介します。

巨額横領事件の経緯

不正事件が発覚したのは、東証プライム市場上場企業である貨幣処理機大手「グローリー」の子会社で、コインロッカー事業を手がける「グローリーサービス」。

同社の元社員が、2009年~2022年2月の約13年にわたり、売上金など約21億5500万円を横領していたことが発覚しました。

社内調査委員会の報告書によりますと、元社員は2005年に入社し、経理業務を1人で担当。

売上金や保険料などを保管する社内の金庫から現金を着服したり、会社名義の銀行口座から自分の口座にインターネットバンキングで350回以上にわたり振り込んだりし、発覚を免れるため残高証明書や帳簿を改ざんしていました。

借入金が不自然に膨らんだことなどから不審に思い、上司が取引明細を確認したところ不正が発覚。元社員は横領を認めています。

元社員は3月11日付で懲戒解雇となり、会社側はこの社員を刑事告訴。9月7日に業務上横領容疑で大阪府警に逮捕されました。詳しい事実関係は、今後の捜査や公判を通じて明らかになっていくでしょう。

21億5500万円はどこへいったのか

横領した約21億5500万円のうち、約17億6,000万円を馬券の購入に使い、残りは飲食費や遊興費に使ってしまったそう。元社員は発覚後、約7000万円のみ返金しています。

なぜ誰も気づかなかったのか

21億円を超える巨額の横領を、たった一人の社員が行っていたという事実はただただ驚くばかりですが、なぜ誰も気づかなかったのでしょうか。

報道によりますと、横領額が一気に増えたのはコロナ禍以降。

これは、コロナの影響を受けた子会社のため、親会社が資金融通システムを導入していたほか、コロナが理由ならほぼ無制限に必要額を貸し付ける特例措置も行っていたのだとか。

今回の件が発覚した今年2月の段階で、元社員のいた子会社への貸付総額は12億円。大半は元社員の口座に送金されていました。

同社の経理は元社員1人。隠蔽工作も行っていたため、誰も気づかなかったのです。

まとめ

経理はブラックボックス化しやすい業務といえます。特に今回のようなひとり経理の場合、不正を働きやすい条件が揃ってしまうのです。まずは社内でしっかりとしたチェック体制を整えることが重要です。

あなたの会社は大丈夫ですか?

雇用による経理担当者では、会計不正と横領を完全に防ぐことはできません。今すぐDFEのバックオフィスアウトソーシングへの切り替えを検討してはいかがでしょうか。

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