中古本・中古家電などの買取・販売を行うチェーン「ブックオフ」。
今年6月、複数の店舗で従業員が架空買い取りや在庫の不適切計上をするなど、現金を不正取得していた疑いが発覚したと発表しました。
また楽器やパソコン、オーディオなどを取り扱う「ハードオフ」でも、北海道の店舗で3,200万円相当の所在が不明となり、店長が失踪。
過去には「セカンドストリート」や「なんぼや」などでも不正事件が発生した事実があり、業界全体で架空取引などの不正事件が起こりやすいのだとか。
「根本的な解決は難しいのではないか」との見方もある中古品取引の不正事件。今回は事件が起こった経緯や再発防止策などを考えます。
今回の不正行為は、さまざまなケースが考えられますが、主に次のようなもの。
- 本を買い取ったように偽装し買い取り代金を着服
- 買い取り代金を実際より水増しして帳簿に記録
- お客様には店で処分すると言って0円で引き取り、値段をつけて販売
- 高額商品の買取価格を操作し高額で販売
中古品取引は商品価値の判断が非常に困難なため、不正行為がしやすく発覚しにくいのです。
リユース市場は、価格が明確ではありません。そのため不適切な取引などが容易にできてしまうのです。
古物商は古物を買い受ける場合や交換する場合、盗品や詐欺被害品などの流通を防ぐため、次の3つの義務があります。
- 取引相手の確認義務
- 不正品の申告義務
- 帳簿等への記録義務
相手の身分を確認し、取引内容を古物台帳に記録します。古物台帳に記録する内容は、以下の6つ。
- 古物の取引年月日
- 取引区分(買取、販売、交換など)
- 品目と特徴
- 数量
- 代価
- 個人情報(住所、氏名、年齢など)
取引があれば上記のデータが残りますが、膨大な数の取引があるためすべてを確認することは事実上不可能。
本来あってはならないことですが、さも取引があったかのように装い、現金を着服することもできてしまうのです。
架空買取や内部不正はあってはならないことですが、ルールやチェック体制の脆弱性によって起きてしまいます。
不正ができてしまう環境を改善する必要があるでしょう。
再発防止策は、たとえば次のようなこと。
- オペレーション体制の改善と徹底
- 定期的な人事異動
- 第三者や外部会社によるチェック
たとえば現金の取り扱いをダブルチェックしたり、在庫や棚卸ロスなどを把握したりするなど、チェック体制の強化は特に必要でしょう。しかし複数人が関与したり管理するはずの者が関与したりすれば、その体制をも信用できないものとなる可能性もあります。
定期的な人事異動をするなどして、内部で不正が行われない環境を整える必要があるでしょう。
また外部の会社に一部の業務を委託することで、内部統制が採れるようになることも。外部委託は再発防止の有効な手段といえます。
今回は商品価値が曖昧であるリユース業界の不正について紹介しました。
在庫管理や監督体制の不備、コンプライアンスなど、しっかりと体制やルールを整える必要がありますが、それは簡単なことではありません。
不正から売上や利益を守るためにもさまざまな不正防止策を練ることは重要です。
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