今年5月、無資格で税理士業務をしたとして、税理士法違反の疑いで54歳の男が逮捕されました。
男は3年間で約300もの書類を作成し、得た報酬は約1億3,000万円。税理士の男も約2,500万円を受け取っていたといいます。
今回はこの不正事件を紹介します。
じつはこれまでに同容疑者は、他の税理士の名義を借りて税理士業務を行い、税務署から厳重注意を受けていたのだとか。
そして東京国税局からの告発を受けた警視庁が捜査を進め、今回の不正が発覚。税理士法違反の疑いで逮捕しました。
税理士の名義貸しの摘発は、警視庁で初めてだということです。
「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」は税理士の独占業務です。
税務書類の作成には高い知識が必要であり、名義を借りたからといって、誰でもすぐにできるものではありません。
では容疑者はなぜ税務の知識を持っていたのか?
警視庁によりますと、容疑者は30年以上前から税理士事務所などで勤務し、税理士業務の知識を習得していたとみられています。
税理士資格はありませんが、高い知識を持っていたようです。
税理士資格がないにもかかわらず、3年で約1億3,000万円の報酬を得ていたという容疑者。税理士はそれほどまでに儲かる職業なのでしょうか。
厚生労働省が報告した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約958万円。一般労働者に比べると高い水準ではありますが、同容疑者の3年で1億3,000万円という数字から、容疑者の実績や営業力がズバ抜けていたことが想像できます。
今回の事件は、無資格の男が税理士名義を借りて3年間で約1億3,000万円もの報酬を得たことが明らかになった不正税務事件です。
長年の税理士事務所での経験を活かし、税理士業務を違法に行っていた容疑者。名義貸しに関与した税理士も報酬を得ていたとされています。
名義貸しが他のケースでも発生している可能性があります。特に経理や税務など会社のお金に関する部分は、信頼できる会社に依頼することが大切です。
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