エネルギー系スタートアップ企業「ENECHANGE(エネチェンジ)」。
政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)が立ち上げた、スタートアップ育成ファンドによる実質的な第1弾の投資として、約40億円の資金を調達したことでも話題となりました。
そんなENECHANGEに不正会計の疑惑が持ち上がったのが今年3月。7月には創業者でCEOの城口氏が退任すると発表されました。
今回はこの不正会計について取り上げます。
ENECHANGEは、ENECHANGEは、「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げるエネルギーテック企業。
顧客の電力やガス会社の切り替えをする「エネルギープラットフォーム事業」、EV充電器の設置や課金アプリを提供する「EV充電事業」、電力・ガス・EVサービス向けクラウド型DXサービスの「エネルギーデータ事業」の3つを柱にし事業を展開しています。
エネチェンジの会計処理問題は、あずさ監査法人の指摘で発覚。
その後外部調査委員会が「不正はなかった」と結論づけましたが、「内部統制やコンプライアンスに問題があった」と厳しく指摘しました。
一連の混乱を招いた責任を取って、創業者の城口氏は7月末で代表取締役CEOを辞任。企業としての信頼性が大きく損なわれる問題となりました。
エネチェンジのEV(電気自動車)充電事業のために設立された特別目的会社(SPC)を、エネチェンジは非連結としていました。
このスキームはエネチェンジにもSPCにもメリットがありますが、あずさ監査法人は「この取引は売上高に計上できない」と指摘。
また財務諸表の重要な虚偽表示の原因となる経営者の不正があったと判断しましたが、外部調査委は不正を認めませんでした。
これにより信頼関係は低下。今後の監査契約を継続することが困難になったことから、エネチェンジとあずさ監査法人は契約を終了することになりました。
ENECHANGEは2024年9月24日、EV充電事業を巡る会計処理問題の経緯や再発防止策をまとめた改善報告書を、東京証券取引所に提出。城口氏の辞任につながった経緯を明らかにしました。
新しい事業計画では、電力・ガス料金の比較サイトを主としたコアの事業を確実に伸ばし、EV充電事業は外部資本の活用も検討。充電インフラの設置を進め、2025年度の経常損益の黒字化を目指す方針を示しています。
このようにどんな会社でも起こり得る不正会計を防ぐためにも、会計に関するご相談はDFEにお任せください。