【中小企業の健康経営】ホワイト500・ブライト500についても解説

「健康経営」とは、企業が従業員の健康に配慮し、”投資”と捉えて戦略的に実践する経営手法です。

人手不足が深刻化する昨今、人材は企業にとって財産ともいえます。

企業が従業員の健康に配慮することは、人材確保、企業の業績向上、さらには労務管理や労働安全対策、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

今回は、中小企業が健康経営に取り組むメリットや、ホワイト500・ブライト500についても紹介します。

健康経営とは

健康経営とは、従業員の健康が会社の業績向上につながるという考え方です。アメリカの臨床心理学者が提唱したといわれています。

これまでの企業経営は業績が優先され、従業員の健康については自己管理が基本でした。しかし今では、従業員の健康を重視する企業が増えています。

経済産業省のサイトにも「従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます」と書かれており、国としても積極的に推進している取り組みです。

健康経営に取り組む企業は年々増加し、今では当たり前になりつつあります。

健康経営のメリット

健康経営に取り組む企業がこれほどまでに増えたのは、メリットがあるから。主なメリットは次の4つ。

  • 労働生産性の向上
  • 人材の定着・確保
  • 会社のイメージアップ
  • 保険料負担の低減

一番大きなメリットは、労働生産性の向上でしょう。

従業員の欠勤や休職は、企業にとって損失です。欠勤や休職でなくても、体調不良の従業員は十分なパフォーマンスが発揮できません。心身ともに健康であることで仕事の効率もアップし労働生産性も上がります。

また人手不足である昨今、離職率を下げ人材を定着させることが重要。健康経営を実践している企業は、従業員の離職力を減らすことができ、さらに求人募集にも有利に働きます。

従業員の心身の健康を維持する企業の取り組みはSDGsの一環でもあり、企業イメージの面でもプラスとなるでしょう。

さらに従業員が病院に行くことが少なくなれば、企業の保険料負担の低減につながります。そのほかにも考えられる健康経営にはメリットはたくさんあります。

健康経営取り組み事例

健康経営にはさまざまな取り組みがあります。経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」ガイドラインにも紹介されていますので、参考にしてください。

ここからはいくつか取り組み事例を紹介します。

  • 労働時間や休暇日数の見直し
  • 病気の治療と仕事の両立支援
  • 職場で運動機会の提供
  • 社内食堂に栄養素やカロリーを明記
  • 定期検診の再診を促す
  • ストレスチェックの実施
  • 禁煙補助、喫煙所の廃止
  • 従業員に向けた健康教育セミナーの実施

健康経営優良法人認定制度とは

健康経営優良法人認定制度とは、優良な健康経営を実践している企業を顕彰する制度。経済産業省と日本健康会議が中心となって運営しています。

ホワイト500・ブライト500について

ホワイト500とブライト500は、「健康経営優良法人認定制度」で認定された法人の、上位500社に付加される称号。

ホワイト500は、大規模法人部門の上位500法人を指し、ブライト500は、中小規模法人部門の上位500法人を指します。

ホワイト500やブライト500の認定された企業は、従業員の健康増進が期待できるだけでなく、ステークホルダーからの信頼が高まります。ホワイト500やブライト500の認定を目指した取り組みをおこないましょう。

大規模企業の区分

・製造業その他:301 人以上
・卸売業:101人以上
・小売業:51人以上
・サービス業:101人以上

中小規模企業の区分

・製造業その他:1人以上 300人以下
・卸売業:1人以上 100人以下
・小売業:1人以上 50人以下
・サービス業:1人以上 100人以下

ホワイト500の申請方法

  1. 健康経営優良法人認定事務局のサイトから健康経営度調査に回答・申請
  2. 認定委員会による審査
  3. 日本健康会議による選考

ブライト500の申請方法

  1. 健康宣言事業に参加
  2. 健康経営優良法人認定事務局のサイトから健康経営度調査に回答・申請
  3. 認定委員会による審査
  4. 日本健康会議による選考

まとめ

健康管理を経営的視点から考え戦略的に実践することは、企業にとって「投資」です。

人材確保、企業の業績向上、労務管理、労働安全対策、企業イメージの向上にもつながるなど、さまざまなメリットもある健康経営。

ぜひホワイト500・ブライト500を目指して、あなたの会社でも積極的に取り組んでみませんか。