今回取り上げる横領事件は、福島県郡山市の放課後児童クラブ職員が約240万円を着服したという事件。
発表によると、この約240万円は児童の「おやつ代」などとして保護者から集めていた会費なのだとか。
この職員は平成21年度から約13年勤務している、いわばベテラン職員。経理は信用している人が担当していればいるほど、チェック体制が甘くなりがちです。
じつは郡山市では、他にも職員の不祥事が相次いでいるといいます。
今回のように、市の施設であっても起こり得る横領事件。あなたの会社は、大丈夫ですか?
横領事件の経緯
福島県郡山市の放課後児童クラブに勤務していた50代の女性は、令和2年8月~令和4年5月にかけての約2年間、おやつ代などとして保護者から集めていた会費、合計約239万4,000円を横領。
もともと市の指導では、「経理2名以上の複数名で担当する」こととしていましたが、この放課後児童クラブでは、事件を起こした元職員がほぼ1人で会計実務を担っていたのだそう。
市が別の職員から「クラブのおやつ代の精算が遅い」と相談を受け、元職員に会計書類を提出させて調べたところ、不審点が見つかり横領が発覚しました。
元職員は横領を認め「父親の事業関連の費用や生活費、借金返済に充てるために使った」と説明。これまでに全額を弁済しているそうです。
元職員に対する対処
先述のとおり、元職員は横領していた全額を返済。市は刑事告訴しない方針です。
そして元職員は、懲戒免職の処分となりました。懲戒免職とは、公務員にくだされる懲戒処分の中で最も重い罰です。いわゆるクビ(解雇)に相当し、退職金の全額または一部が支給されない可能性があります。
氏名は公表していませんが、横領された額が全額返金されたこと、懲戒免職処分となったたことなど社会的な制裁を受けたと考え、郡山市は刑事告発しないこととしたそうです。
不祥事が相次いでいた郡山市
じつは郡山市では、ここ数年で市の職員による不祥事が相次いでいました。
たとえば市立保育所の保育士が、古着を盗んだとして懲戒処分。
また放課後児童クラブで働いていた職員が、刑事事件で有罪判決を受けて執行猶予期間中だったことが発覚し、採用が無効となっています。
郡山市の総務部長は「不正が起こりやすい環境を再度確認して是正するとともに、コンプライアンスに関する研修を徹底していきたい」と話しているということです。
しかし不祥事や横領などが起こる管理体制は、今一度見直す必要があることは容易に想像できます。
再発防止策
郡山市は今後も「各種団体会計事務マニュアル」に基づく指針等の作成、監査の実施など、適正な事務処理が行われるよう事務の改善を徹底するとしています。
しかしこれまでも、繰り返しコンプライアンスなどの研修は行われていました。不正が起こりやすい環境を構築するためには、別の方法を考えるべきではないのでしょうか。
まとめ
今回の不正事件は、子ども達から「先生」と呼ばれる立場の職員が不正を働いていたという事実が、最も大きな問題。
そういった立場の人、またベテランであっても、不正を働くことがあり得るのです。
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