会社の収益や資産などを確認する「決算書」。今後の会社の方針や目標などを決めるために重要な資料です。
しかし決算書を読むのが苦手だという経営者も少なくありません。
経営者が決算書を読めるようになること、つまり数字に強くなることは、企業の成長に必要不可欠です。
今回は、決算書の読み方や決算書を経営に役立てる工夫などを紹介します。
経営者にとっての「決算書」は、どれくらい儲かっているのか、経費を何に使ったのかなど、会社の経営状態を把握するために重要です。
会社の成長に向けた事業計画を立てるためにも、経営者こそが「決算書」をしっかり読めるようにならなければなりません。
決算書の読み方はこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
決算書を経営に役立てるためには、表記方法を工夫することが大切。
工夫のない決算書には読み取る知識が必要ですが、工夫をすることで経営者が読みやすい決算書に。ルール内で表記方法を工夫をしてみてください。
ここからはいくつかコツをお伝えします。
多くの中小企業の固定費の中で、最も金額が大きいのは「人件費」。そして経営者にとって大きな関心事であるのも「人件費」です。
試算表をつくる際は、人件費をはじめ、さまざまな項目を”大きな数字から”並べておくといいでしょう。
また人件費は、役員報酬・事務員給与・従業員賞与などまとめて配置し、部門・部署別に人件費の動きを把握するのもいいと思います。
固定費の数字は、月々に平均化して試算表に組み込むのもいいと思います。
たとえば賞与は、多くの企業が6月と12月ですが、払った月だけ記載するとその月だけが人件費が多くなってしまい正しい損益を認識できません。その場合、平均化して試算表に組み込むのが適切です。
月次決算書は、売上高に対して「売上原価」ではなく「変動費」という勘定科目を使うのもいいと思います。
変動費を、材料費・外注加工費・商品仕入費の3つのどれかにに割り当てましょう。
労働生産性とは、労働者1人あたりの生産量を表します。「労働生産性=付加価値÷従業員数」。
付加価値額とは、売上高から変動費を差し引いた額です。
「付加価値=売上−変動費=粗利益」、つまり「付加価値=粗利益」と定義すると、中小企業の経営に役立てやすいかもしれません。
固定費は、売上によって変わりません。
売上が増減して変化するのは粗利益額です。粗利益が下がれば経常利益も下がります。
こうした知識はしっかりと身につけておきましょう。
決算書は、企業の経営成績や財政状態を明らかにし、企業の収益性・健全性・成長性などを判断する大切な書類です。
経営者は決算書を読む力が必要ですが、作成時の工夫でぐっと読みやすい決算書が作成できるでしょう。
月次試算表は、ただ決算書に合わせてつくるのではなく、経営に役立てるという意識を持って作成しなければなりません。
工夫のない月次試算表や決算書は、経営者が間違った経営判断をしてしまう要因といえます。自社にとって必要な工夫は何かを考え、適切に対処しましょう。